熊本あか鶏が味わえる名店たち。「歴史の宿 御客屋」

「歴史の宿 御客屋」 総料理長 佐藤信弘さん、女将 橋本栄子さん

享保七年創業、黒川温泉最古の宿「御客屋」。
歴史とともに紡がれるおもてなしの心と「熊本あか鶏」の美食にひたる旅

熊本県阿蘇の奥、緑ゆたかな山々と温かな情緒に包まれる黒川温泉。ここに300年以上にわたって旅人を迎えてきた名宿があります。時代と人にしなやかに寄り添うおもてなしや宿の歩み、目利きに愛される極上食材「熊本あか鶏」について、女将の橋本さんと総料理長の佐藤さんに伺いました。

歴史の宿 御客屋

三百余年の時が息づく「半農半宿」の宿で、心と身体にしみわたる里山の滋味と「熊本あか鶏」を

Q: 「歴史の宿 御客屋」は、名湯黒川温泉の中でも古くから多くの旅人に愛され、親しまれつづけているお宿ですよね。これまでの歩みについて教えていただけますか。

女将(橋本さん): 当館の始まりは享保7年(1722年)、肥後細川藩の「御用宿」として建てられたことにさかのぼります。かつては参勤交代の役人や代官の方々もお立ち寄りになった、歴史ある宿なんですよ。

実は「御客屋」という名も、藩が各地に設けた御用宿をそう呼んでいたことに由来しています。当時のままの名前を残しているのは、今では日本全国で当館1軒だけとなりました。

Q: 300年を超える歴史が、今も宿の隅々にまで息づいているのを感じます。

女将: ありがとうございます。私たちは藩にお仕えしていた古い時代から変わらず、自分たちで田畑を耕し、山の手入れをしながら宿を営む「半農半宿」の暮らしを今も守っています。

旅館のシンボルマーク

宿のシンボルである「牡丹」のロゴマークは、江戸時代の漢詩人・頼山陽(らいさんよう)ゆかりのものです。当館に滞在された際「新しい富貴の花(黄色の牡丹)を看た」と詠んだ詩が、宿の石碑に刻まれています。そしてこの牡丹の絵柄は、私たちがともに生きる美しい山畑のカタチにも重なるんですね。偉人が愛した歴史を今に受け継ぎながら、阿蘇の豊かな自然と共生していくこと。それこそが私たちの原点であり、お客様にお伝えしたいおもてなしの形です。

入り口に佇む頼山陽の詩碑

Q: 自然とともに暮らす「半農半宿」の宿として、お料理にはどんなこだわりがありますか?

女将・料理長(佐藤さん): 私たちの山畑で採れたものはもちろん、地元の新鮮な野菜や旬の食材でおもてなししています。お料理をつくる上で私たちが大事にしているのは「身体がよろこぶ」ことなんです。シンプルですけれど、添加物を使わないとか、自然の恵みを五感で楽しんでいただくとか、そういったことですね。たとえばドレッシングやソースなどの調味料もすべて「素材を生かして自分たちで一からやってみよう」と手づくりしています。

自家農園では農薬に頼らずに、手間と愛情をかけてお米や野菜を育てています。この土地ならではの豊かな食をまるごと安心して味わっていただきたいんです。

姉妹店で人気の「わろく屋 三種のカレー」。地元の小国ジャージー牛乳と熊本あか鶏を合わせ、ピリッと生姜を効かせたクリーミーな白カレーはファンの多い一品

Q: 「御客屋」で愛されているこだわり食材の1つが「熊本あか鶏」ですね。旅館だけでなく系列の飲食店のメニューにも取り入れられていますが、この鶏ならではの魅力はどこでしょうか。

女将・料理長: くさみがなくてあっさり食べられるのに、食感がよくて旨味がしっかりしている。それが、私たちが「熊本あか鶏」を選んでいる理由です。

ほかの赤鶏を試してみたこともあるのですが、やっぱり「熊本あか鶏」が一番美味しい。
当館の看板メニューである「鶏鍋」では、その素晴らしい食感をしっかり楽しんでいただきたくて、あえて厚めに切ってお出ししています。

写真左:「御客屋」の朝食で食べられる、低温調理した熊本あか鶏に自家農園野菜を合わせたサラダ

鶏肉の味の表現としては少し珍しいかもしれませんが、口に入れた瞬間ふわっとするような、ホクホクするような、なんとも温かな味わいを感じるんですよね。

また「スローグロウス(=時間をかけて育つ)」と「平飼い」でゆったりと大切に育てられていることも、私たちがこの鶏を信頼して採用している理由です。

夕食プランの1つ、熊本あか鶏と同じ熊本県産の天草大王を食べ比べできる美食鍋

Q: お料理や食材への思いを通じて「半農半宿」の意味が深く伝わってきました。最後に「御客屋」や黒川温泉を訪れる方へメッセージをお願いします。

女将: 私たちが何より大事にしているのは、黒川温泉の「風土」「風習」「風味」を守ることです。里山を手入れしながら旅館を営むことで、働く私たち自身がこの土地を知り、お客様により深い魅力をお伝えできると考えています。

食を通じたおもてなしも、自分たちで土づくりから農業に携わっているからこそ「本物」になっていくように思います。地域の美味しいものを育て、まず自分たちが食べて心身を整え、元気に楽しく生きる。その健やかな営みこそが、私たちならではのおもてなしにつながっています。

黒川温泉には、すべての宿と里山の風景をひとつの大きな旅館ととらえる「黒川温泉一旅館」という言葉があります。地域全体で旅人のみなさまをお迎えしますので、食と自然と人が一体となる心地よさをぜひ体感しにいらしてください。お待ちしております。


店舗情報

店名 歴史の宿 御客屋(おきゃくや)
住所 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6546(黒川温泉)
TEL 0967-44-0454
チェックイン / アウト チェックイン 15:00 〜 18:00 / チェックアウト 〜 10:00
客室数 全13室
温泉 100%源泉かけ流し(泉質:ナトリウム硫酸塩・塩化物温泉)
アクセス(最寄駅など) 【お車】大分自動車道「日田IC」より約1時間 / 九州自動車道「熊本IC」より約1時間30分
【高速バス】「福岡」または「熊本」より黒川温泉行き高速バス乗車、「黒川温泉」バス停より徒歩約5分(※バス停からの送迎あり・要事前連絡)
公式サイト / SNS https://www.okyakuya.jp/

「熊本あか鶏」を使ったメニュー

  • 天草大王と熊本あか鶏の美食鍋(夕食)など
    ※ 宿泊プラン・コースでご選択いただけます。詳しくはお問い合わせください。

姉妹店 店舗情報①

店名 Restaurant&Cafe わろく屋(わろくや)
住所 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川6600-1
TEL 0967-44-0283
営業時間 11:00~16:00(L.O.)※ 金曜営業の際ははあか牛メニューのみとなります。
定休日 木曜日・金曜日
公式サイト / SNS 公式Instagram
予約 予約制なし

「熊本あか鶏」を使ったメニュー

  • わろく屋 三種のカレー:1,800円
    ※白カレーで熊本あか鶏を使用
  • 熊本あか鶏の旨塩から揚げ:単品 800円 / 御膳 1,300円

姉妹店 店舗情報②

店名 予祝(よしゅく)
住所 熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺6600-1 2F
TEL 0967-44-0454(お電話は御客屋にてお受け致します)
営業時間 金・土・日:11:00~16:00 ※ 臨時休業あり。
定休日 月〜木
公式サイト / SNS https://yosyuku-kurokawa.jp/
予約 予約制なし

「熊本あか鶏」を使ったメニュー


  • 自家製麹発酵から揚げ(もも肉):650円
  • 熊本あか鶏の塩麹チキン(むね肉):650円